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​■コラム:  カスタムした車と車検

自動車が公共の道路を走るためには、ドライバーの運転免許証の所持はもちろん、運転する車には車両点検を受け合格した”車両検査証”が必要です。運転していた車両にこの車検証を携帯していないと法令違反からその理由が悪質場合は逮捕されるほど。

その車両点検(一般的に聞く”車検”)を受け、公共の道路を走行するために特に歩行者が安全に安心して過ごせる状態の車両であるためにという意味ともいえる基準が”保安基準”です。日本では定期的に受ける必要がある車両点検はこの保安基準を元に国が定めた指定工場と認証工場の2種類で行われてます。

街中の自動車整備に関係しているお店や工場がだいたい以下のように分布されています。

 

・指定工場:  カーディーラー、一部の整備工場

・認証工場:  整備工場、ガソリンスタンド、タイヤショップ等

​※ 例外もありますので上の限りではありません。

指定工場ですが、車両の点検を行う機関の陸運局と同等の資格、決定権を持つ工場です。主にカーディーラーの工場には大体工場長様がこの検査官の資格所有者で保安基準に沿った判断を行うようです。

認証工場は、その工場では指定工場とは異なり、車両点検の合否決定はないため、車両点検の際は陸運局に車両を持ち込みその点検を終えてます。

ただ、イメージ的に認証工場より指定工場の方が実力があるかといえば、個人的には、先にあったように指定工場はカーディーラー様が多いようにカーディーラー様は特定のグループの自動車メーカーの車両のみの整備を主としてますので認証工場に多い整備工場様の方が他車種の整備やトラブルの解決経験から実力を持たれているケースがあると感じてます。

すべて言い切れることではありませんので、あくまで個人的に思うところです。

この車両点検とその点検を行う工場の紹介話までを前提として、主題のカスタムした車両で検査を受ける場合について書きますが、純正品以外のものを装着した場合には、ディーラー店とは繋がりを切るか装着中はいかないとこを勧めます。これはディーラー様を悪く考えているわけではなく、無理なんです。いじる前のようなサービスを受けることができなくなるからです。

理屈で書くならば、基本的にグループの車メーカーから車両を仕入れて販売することを事業としているのが販売店様です。その為、その車両の部品も純正に限ります。視点を変えれば、アフターパーツと呼ばれるカスタムパーツについての知識はゼロ。そのため、整備側も良いとも悪いとも判断には困りますし、その為グレーなものはブラックとして「この車はみれません」とはじかれます。認証の整備工場様でもわからず同じことが起こる可能性があります。保安基準に沿わない不正な車両を整備してしまうと後々に免許のはく奪や営業停止になってしまうリスクがあるからです。

では、一概にアルミホイールから始まりカスタムした車両は見てもらえないのか?といえばそうではありません。肝心の道路を走行するための許可に当たる車両点検には保安基準が設けられており、その基準は少しずつですが環境や自動車メーカーから新しい装置が装着され販売が開始されるたびにその基準に追加され更新されます。

そこに対応が常についてきているのが知識の向上を努力されている工場であり特に認証工場が多いです。

これは私の考えになりますが、基準が設けられているということは基準を元に数値が決めれます。その数値を上回れば不適格不合格。下回れば合格。内容によってはその逆もあります。寸法においては、1ミリ差で合否が分かれる。理論上ではそうなります。

しかし、この寸法に限り言いまうと寸法を測るのも機械ではなく検査官の目です。1ミリもズレない垂直が出せているのか否か、その計測場所からの目までの距離がズレていないのか?厳密にいえばこうなります。もちろん、ズレます。でも、それで良し。ずっと昔からそうされてます。ですから極端な危険な形状だとか走行中にちぎれて飛んでいき歩行者にケガをさせてしまうものは全くの論外でダメですけど、基準ギリギリな場合に、その検査官がその保安基準に沿い、通してあげたい思考なのかはたまた絶対に通したくないという思考も影響しているのが車検(車両点検)です。

結論から言えば、カスタムするならば、もしくはしてしまったならばオーナー様も腹をククって、保安基準に沿ってきちんと数値をとらえて判断ができる工場。特になるべくなら門前払いせずに通してあげたいという考えの認証工場様にお世話になることが良いかと考えます。

よく耳にする全体の車幅が20ミリ以上増したら車検に通らない(えっ違法改造車的な)都市伝説。

あれは、ディーラー様では殆ど案内されないですけど、そのままの車検証に記載された異なるので実写寸法が違うとそのままでは車両検査を終えれないという意味でして、その場合は、車両の採寸(再度実写の寸法を計測)をお願いしてそれを元に実際の車幅を車検証の記載変更してもらえばよいだけなのです。それを行ってればオーバーフェンダー装着で車幅が変わった車両でも車検証に正しく実際の車幅が記載され大腕振って走行できます。言い方がおかしいですけど、特別なわけではなく実際に合わせて記載をしてもらえばよいだけです。それをしないでディーラー様へ行こうとすれば、もちろん不正車両扱いになりますのでご注意を。。。

​オーナー様も本当は車検の意味と保安基準の基準がどうであるのか等を少し覚えられてカスタムする事が楽しく車両をいじり自分好みを楽しむ秘訣なのでしょうね。

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